はじめに
本年3月、東京証券取引所より、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願い」と合わせ、「株主との対話の推進と開示」が通知された。プライム市場に上場する全企業が開示すべき項目として、以下が例示されている。
- 株主との対話の主な対応者
- 対話を行った株主の概要(投資スタイル、対応者の担当分野など)
- 対話の主なテーマや株主の関心事項
- 対話において把握された株主の意見・懸念の経営陣や取締役会に対するフィードバックの実施状況
- 対話やその後のフィードバックを踏まえて、 取り入れた事項があればその内容
- 直近事業年度において株主との対話の実績がない場合は、対話の促進に向けた体制整備・取組の状況(コーポレートガバナンス・コード補充原則5-1②)
この要請には、単なる対話実績の開示だけではなく、市場参加者にとって非常に関心の高い、資本収益性等の向上にむけた取組状況に関する対話を促すことも含まれている。プライム市場に上場する企業は、今後、取締役会が主体的かつ積極的にリードをとってエンゲージメント対話の活発化に備えていく必要があるだろう。
こうした情勢を踏まえ、WTW経営者報酬・ボードアドバイザリープラクティスでは、企業の対話実績の開示に関する海外及び日本の先進事例を紹介するとともに、日本株に投資する機関投資家が企業との対話をどのように行いたいと考えているか、ヒアリングもしくはアンケートによる調査を実施した。本稿ではその調査結果を報告したい。
<目次>
はじめに
海外企業のエンゲージメント活動の開示事例
- Intel Corporation(米国)のエンゲージメント活動の開示事例
- 対話の実施状況
- エンゲージメントフィロソフィー
- 株主エンゲージメントの年間スケジュール
- 対話のテーマ(株主からのフィードバックおよび企業のアクション)
- bp(英国)のエンゲージメント活動の開示事例
- エンゲージメントの年間スケジュール
- 主要なステークホルダーとのエンゲージメントの概要(対話相手ごとの対話の意義、対話主体及び方法、企業のアクション、対話のテーマ)
- 労働者とのエンゲージメントの概要
日本企業のエンゲージメント活動の開示事例
- 株式会社リコー(2022年度有価証券報告書)
- エーザイ(2022年度有価証券報告書)
機関投資家が求める企業のエンゲージメント対応
- 対話の相手
- 対話のテーマ
- 対話が不十分な場合のアクション
- おわりに
<付録>
本調査にご回答いただいた機関投資家(17社)一覧
調査結果の全文につきましては、下記にございます「資料ダウンロード」よりpdfファイルをダウンロードしてご覧ください。



