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テロ・治安リスク保険

2011年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降、海外の保険マーケットではテロ行為等の保険整備が急速に進み、欧米の多くのグローバル企業ではテロ・治安リスク保険の購入が普及しています。
現行の財物保険の補償範囲を整理した上で、適切な保険でリスクをヘッジすることが必要です

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なぜテロ・治安リスク保険が必要なのか

日本の財物保険では「騒擾または労働争議等」は補償されますが、「戦争、海外の武力行使、革命等」や、「政治的な動機に基づく暴動」は免責となっています。

また、多くの企業保険契約には「テロ危険不担保特約」が付帯されるため、日系企業がグローバルで手配をしている財物保険では、革命やテロについては免責となっている可能性が高いのです。

加えて、最近では世界各地で以下のようなテロや暴動が多発しています

  • 2019年9月のサウジアラビアの石油関連施設へのドローンによるテロ
  • IS最高指導者殺害による今後のテロの拡散の可能性
  • 香港での継続しているデモに伴う破壊行為
  • チリでの地下鉄運賃値上げ等を背景とする反政府暴動の勃発

日本企業にとってもテロのリスクは高まっています

日本は世界でも安全な国と考えられていますが、2020年東京オリンピックに向け海外から多くのテロリストが侵入するリスクが想定されます。

周辺区域にテロの対象になりやすい建物、ショッピングセンターがあれば、そこを対象としたテロによる自社の事業中断の影響はどの程度か?

海外拠点においても、合法的にビジネスを行っているのだから、テロや抗議活動の対象にならないという根拠でステークホルダーを納得させることが出来るのか?

2011年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降、海外の保険マーケットではテロ行為等の保険整備が急速に進み、欧米の多くのグローバル企業ではテロ・治安リスク保険の購入が普及しています。

現行の財物保険の補償範囲を整理した上で、適切な保険でリスクをヘッジすることが必要です。

財物保険との補償範囲比較
*1 政治的・宗教的な背景によるものは補償対象外となります。
*2 保険定義上のサボタージュは労働争議戦術ではなく、破壊方策、妨害工作を指します。
補償内容
(Insured Events)
一般の財物保険
(Property)
テロ保険
(Terrorism)
治安リスク保険
(Political Violence)
労働争議 Strikes 補償対象 免責 補償対象
暴動 Riots 補償対象*1 免責 補償対象
騒擾 Civil Commotion 補償対象*1 免責 補償対象
悪意ある行為による損害 Malicious Damage 補償対象 免責 補償対象
テロリズム Terrorism 免責 補償対象 補償対象
サボタージュ*2 Sabotage 免責 補償対象 補償対象
革命 Revolution 免責 免責 補償対象
クーデター・武力政変 Coup d’Etat 免責 免責 補償対象
反逆・反乱 Rebellion 免責 免責 補償対象
内戦・内乱 Civil War 免責 免責 補償対象
戦争 War 免責 免責 補償対象

財物損害、事業中断補償

【補償内容】

治安リスク保険は、下記を直接の原因として保険の対象について保険期間中発生した損失に対して保険金を支払います。

  1. テロ行為、サボタージュ (テロ保険の場合は、1のみが対象)
  2. 悪意ある行為による損害
  3. 労働争議、暴動、騒擾 
  4. 武力による侵略行為、適性外国軍隊の行為、敵対行為(宣戦布告の有無を問わず)、内戦、反逆、反乱、クーデター、謀反、反抗・反乱 
  5. 戦争  (追加での手配が必要)

【支払われる保険金】

  1. 保険の対象に直接生じた損害(財物損害)
  2. 上記の結果、被保険者の営業が休止または阻害されたために生じた事業損失(事業中断損害)
  3. 上記損害が発生したときに臨時に発生する費用

テロ・治安リスク保険では、保険の対象について生じた損害、並びに事業中断損害をセットで補償します。
日本では事業中断保険の付帯率は低いですが、財物損害よりも事業中断損害の方がより大きな損害に発展しがちであり、欧米では財物損害と事業中断損害はセットで提供されます。

【主要な免責条項】

  1. 5大国間の戦争、侵略行為(アメリカ合衆国、フランス共和国、ロシア連邦、中国人民共和国、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
  2. 化学物質または生物学的物質の放出、排出、分散、漏出
  3. 核反応、核放射線または放射能汚染

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【事例】

2010年5月タイ、バンコクで行われた反政府抗議により、推計約2000億円(500億~600億タイバーツ)の物的損害と事業中断が発生しました。しかしながら、反政府抗議で壊された建物に対して、通常の火災保険では保険の支払いは行われませんでした。


東南アジアで2番目に大きいショッピングセンターであるセントラル・ワールド(CW)は、反政府デモ隊による放火被害により、建物の約3割を焼失しました。
CWは保険会社に対して火災保険での支払いを要求しましたが、デモ隊による建物の損傷は火災保険の支払い対象ではないとして支払いを拒否しました。しかし、支払いを拒否した保険会社に対し、CWは引き続き火災保険での支払いを求め、第一審裁判所に提訴し、勝訴しました。
保険会社は損害の原因と補償内容につき、火災保険で支払われるべきなのか、または政治的な動機をもったテロ抗議であったのかを更に上訴裁判所に控訴し、火災保険での支払い対象ではないという判決を得ました。
結果として、CWは別の保険会社で手配していた治安リスク保険にクレーム請求し、保険金約1.5億円を2017年に受領しました。

一部報道では、一般の周辺企業で治安リスク保険を手配していたのはセントラル・ワールドのみであったと伝えられており、反政府抗議による建物の損傷に対しては一般的な火災保険では保険金が支払われていない可能性が高いと考えられます。

タイの事例では、財物保険とテロ・治安リスク保険の補償ギャップが争点となりましたが、一般的にテロ保険で想定されるのは、突発的に起こる秘密裏のテロ攻撃であり、街頭で行われる市民の暴動、反乱ではありません。
2011年のアラブの春での一連の騒擾はテロ保険の対象ではなく、暴動が大きなデモになり、結果的に革命、クーデター、内戦と発展していった例で、治安リスク保険の補償対象となります。

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