リスクレポートを脅威と機会の視点として活用する
現代のグローバル社会において、リスク管理は国家、企業、そして個人にとっても極めて重要な課題となっている。特に、近年の地政学的な緊張、気候変動、テクノロジーの急速な進歩、そしてパンデミックの経験は、私たちが直面するリスクの複雑性と相互関連性を浮き彫りにした。
世界各国の主要機関は、これらのリスクを体系的に分析し、将来の展望を示すことで、意思決定者たちの判断を支援している。特に年末から年始にかけて、世界経済フォーラム（WEF）をはじめとする国際機関、コンサルティング企業が、それぞれの視点から包括的なリスク分析レポートを公表している。
これらのレポートは、経済、社会、環境、技術、地政学など、多岐にわたる分野のリスクを網羅的に分析し、その発生可能性や潜在的な影響度を評価している。各機関独自の分析や重点分野があり、それぞれのレポートを比較検討することで、より立体的なリスク像を把握することが可能となる。
本稿では、主要機関・企業が発表した最新のグローバルリスクレポートを横断的に概観し、共通するリスク認識や特徴的な視点を整理することで、今後のリスク対応に向けた示唆を提供したい。今回、取り上げるリスクレポートは、以下の通りである。
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大学院修了(工学)後、外資系ITベンダー、日系シンクタンク、人材育成・組織変革コンサルティング会社にて、企業幹部・管理職向けのビジネスリーダー育成及び業務プロセス改革支援に従事。現在は、企業のリスクマネジメントの高度化（ERM/BCM）に向けた組織変革と事業継続計画の立案を支援。
