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メディア

TOPIX100企業の役員報酬KPI:株価指標48%、資本収益性55%、従業員エンゲージメント41%

WTW調査結果

2025年8月13日

Executive Compensation
N/A

【プレスリリース / 東京】 2025年8月13日(水) -- 世界をリードするアドバイザリー、ブローキング、ソリューションのグローバルカンパニーであるWTW(NASDAQ:WTW)は、役員報酬の算定に用いる業績評価指標(KPI)の採用状況について、TOPIX100構成企業を対象とした調査を実施しました。

《 調査結果 》

  • 株価指標の採用状況:TOPIX100構成企業の48%(前年比+12%ポイント)
    • 株価指標採用企業の9割以上が具体的なKPIとしてTSRを採用(一部企業は株価・時価総額やPBRを採用)
    • 株価指標採用企業の8割弱がTOPIX等の株価指数との比較・評価を実施、約半数が競合企業との相対比較を実施(3割弱は両方の評価を併用)
  • 資本収益性指標の採用状況:TOPIX100構成企業の55%(前年比+12%ポイント)
    • 具体的なKPIとして7割がROEを、4割弱ROICを採用(一部企業は両指標を併用)
  • 従業員エンゲージメントの採用状況:TOPIX100構成企業の41%

《 図表1. 役員報酬KPIの採用割合(TOPIX100構成企業, 2025年調査)》

株価指標(TSR等)48%、資本収益性(ROE/ROIC)55%、従業員エンゲージメント41%
図表1. 役員報酬KPIの採用割合

《 コメント 》

WTW 経営者報酬・ボードアドバイザリープラクティス

ディレクター 宮川 正康

投資家重視の指標が役員報酬に浸透

東京証券取引所の要請(「資本コストや株価を意識した経営」)を受け、日本企業の役員報酬制度が大きく変化している。投資家が重視するTSR(株主総利回り)やROE、ROICを役員報酬のKPIとして採用する企業が前年に引き続き増加し、TOPIX100構成企業の約半数がこれらの指標を採用するに至っている。

株式報酬の急速な拡大が背景に

この変化の背景には、日本企業における株式報酬の拡大基調がある。優秀な経営人材の獲得を目的として、日本企業のCEO報酬は毎年拡大を続けており、特に株式報酬の伸びが顕著だ。WTWの2025年調査によると、株式報酬は報酬全体の3割を超え、基本報酬を上回る水準まで拡大している。ただし、株主・投資家からの理解を得るためには、単純に付与株式数を増やすのではなく、TSRやROEの達成状況に応じて付与数を変動させる仕組みが効果的である。このような業績連動型株式報酬は、グローバルに一般的なプラクティスとして広く普及している。

エンゲージメント向上も重要な経営課題に

さらに、グローバルな人材獲得競争が激化するなか、中核人材のエンゲージメント向上の重要性が広く認識され、これを役員報酬のKPIとして採用する企業も増加傾向にある。

日本企業がグローバル競争を勝ち抜くためには、従業員エンゲージメントを高めて競争優位を確保すると同時に、資本コストや株価を意識した経営を強化し、事業ポートフォリオの見直しや人的資本をはじめとした無形資産への投資を加速させる必要がある。

《 調査担当 》

WTW 経営者報酬・ボードアドバイザリープラクティス

リードアソシエイト 板東 季彩

アソシエイト 富田 香帆

WTWについて

WTW(NASDAQ:WTW)は、企業に対し、人材、リスク、資本の分野でデータと洞察主導のソリューションを提供しています。 世界140の国と市場においてサービスを提供しているグローバルな視点とローカルな専門知識を活用し、企業戦略の進展、組織のレジリエンス強化、従業員のモチベーション向上、パフォーマンスの最大化を支援します。

私たちはお客様と緊密に協力して、持続可能な成功への機会を見つけ出し、あなたを動かす視点を提供します。

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