メインコンテンツへスキップ
main content, press tab to continue
メディア

日本企業による賞与の基本給への組込みが進む現状があらわに

賞与に占める実質固定部分は依然として大きい

2025年7月10日

Total Rewards
N/A

【プレスリリース / 東京】 2025年7月10日(木) -- 世界をリードするアドバイザリー、ブローキング、ソリューションのグローバルカンパニーであるWTW(NASDAQ:WTW)は、日本のマーケットにおける、賞与をはじめとする変動報酬・臨時報酬の実態を把握するため臨時調査を実施しました。

《 調査結果ハイライト 》 

  • 賞与の月数について、管理職・一般社員いずれにおいても日本企業と外資系企業では通常月例給3か月分相当の差
    • 「変動賞与の固定部分[1]」の有無およびその厚みの違いが大きく影響
  • 固定賞与[1]がある企業は3割程度
    • 「固定的に支払う賞与[1]」を有している企業の割合は、日本企業では約9割、外資系企業では管理職で約半数・一般社員で6割程度
  • 各社における「固定的に支払う賞与」が賞与に占める割合は、日本企業は管理職・一般社員でほぼ同水準。一方、外資系企業では管理職は一般社員の1/3程度 となっており、階層により明らかな違いが見られる
  • 外資系企業は日本企業よりも賞与のメリハリ(最高・最低評価の場合の標準評価からの乖離を%で示した支給率の振れ幅)が大きい。特に低い評価の場合、外資系企業の支給率は日本企業よりも著しく低い。最低評価者を厳しく処遇する傾向
    • 最低評価の管理職に賞与を支給しない外資系企業は半数超にのぼる
  • 賞与の基本給への組み込みを実施した企業は約3割、そのような施策を検討している企業は約1割
  • スポットボーナス、サインオンボーナス、リテンションボーナスの導入率は、いずれも外資系企業が日本企業を大きく上回る
    • サインオンボーナスを導入する企業は外資系企業では8割に達するが、日本企業は3割に満たない
    • スポットボーナス、リテンションボーナスは日本企業での導入は極めて限定的
  • リテンションボーナス、サインオンボーナスの標準支給額はスポットボーナスよりも高額であることが一般的
「賞与」を支払いの保証の有無により固定賞与と変動賞与に分類。また、変動賞与を最低評価の場合でも支払われる額を変動賞与の固定部分とし、残る実質的に変動する部分を変動部分とした。固定賞与と、変動賞与の固定部分を「固定的に支払う賞与」と考える。
図1:本調査の分析で用いた「賞与」の構成

【本臨時調査の概要】

  • 調査対象期間:2025年5月中旬~6月上旬
  • 回答企業数:65社(日本企業42社、外資系企業23社)

(回答企業には結果レポートを提供)

《 WTWコメント 》

Rewards Data Intelligence
リード・アソシエイト 青木 遥香

調査により、固定的に支払う賞与の比重が日本企業は外資系企業よりも大きいことがあらためて浮き彫りになった。

会社にとっては、固定報酬の一部を基本給ではなく賞与で支払うことで、時間外勤務手当などの算定基礎を抑えコストを圧縮し、また、変動費化することで将来の著しい業績悪化に対応しやすくなるというアドバンテージがある[2]。一方、従業員は通常、安定性の観点から賞与よりも基本給での支払いを選好する。今後「変動賞与の固定部分」を基本給へ組み込む企業が増加すると、賞与の比率が高い企業では、特に人材獲得上の困難が生じる可能性がある。

日本企業による賞与の基本給への組み込みが進む動きが見えるなか、日本企業・外資系企業ともに、特に基本給の競争力が相対的に低下し、人材獲得に支障が生じることがないか、今後も報酬マーケットを注視する必要がある。

WTW従業員報酬サーベイでは、総報酬だけでなく、基本給や基本給+固定賞与なども集計している。検証においては、このようなマーケットデータを継続的に活用されたい。

WTWについて

WTW(NASDAQ:WTW)は、企業に対し、人材、リスク、資本の分野でデータと洞察主導のソリューションを提供しています。 世界140の国と市場においてサービスを提供しているグローバルな視点とローカルな専門知識を活用し、企業戦略の進展、組織のレジリエンス強化、従業員のモチベーション向上、パフォーマンスの最大化を支援します。

私たちはお客様と緊密に協力して、持続可能な成功への機会を見つけ出し、あなたを動かす視点を提供します。


<脚注>

  1. 「賞与」を支払いの保証の有無により固定賞与と変動賞与に分類。また、変動賞与を最低評価の場合でも支払われる額を変動賞与の固定部分とし、残る実質的に変動する部分を変動部分とした。固定賞与と、変動賞与の固定部分を「固定的に支払う賞与」と考える。 本文に戻る undo
  2. 特に日本企業は長期雇用を重んじる傾向が強く、賞与の比率を高めておくことは、一時的な業績悪化時にコストをコントロールし雇用を維持するうえで有効に機能するという考え方がある。業績変動の可能性、自社の雇用維持の考え方等をもとに報酬構成に関する自社の方針を決める必要がある。 本文に戻る undo
Related content tags, list of links メディア トータルリワード 日本
Contact us