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2023年6月有報提出企業の男女間賃金格差、70%を下回る

~人的資本経営に関する開示義務適用直後の状況:約2,800社に対する3社共同分析の結果公表~

2023年7月11日

Compensation Strategy & Design
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【プレスリリース / 東京】 2023年7月11日(火)—世界をリードするアドバイザリー、ブローキング、ソリューションのグローバルカンパニーであるWTW(NASDAQ:WTW)は、本日、シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズ、ゼブラルの3社共同で、2023年6月に提出された有価証券報告書における人的資本経営の開示状況について、該当する全上場企業を対象として、開示が義務化された「男女間賃金格差」、「女性管理職比率」、「男性育児休業取得率」を含む女性活躍に関する指標について臨時調査を実施し、その分析結果を公表しました。

《 調査結果(速報値) 》
  1. 全体概況
    (1-a) 対象企業全社における男女間の賃金格差(男性を100とした場合の女性の値)
全労働者
対象企業全社(平均) 67.04
図1-a:対象企業全社における男女間の賃金格差
上記内訳 正規雇用労働者(フルタイム) 非正規雇用労働者(パートタイム等)
対象企業全社(平均) 71.64 69.65

調査の前提:分析時点で有価証券報告書の提出のあった企業であって人的資本データの開示があった企業全社1,998社を集計(一部、12月決算企業等で任意の先行開示を実施していた企業も分析に含めている)。有報提出会社における数値の平均値を算出(異常値と看做される数値は母集団から除外した)。以降についても同様。

分析結果:全労働者について対象企業全社の平均値が67.04となり、国際的に見てあらためて日本の男女間賃金格差が著しい状況が確認された。

(1-b) 対象企業全社における女性管理職比率および女性役員比率

図1-b: 対象企業全社における女性管理職比率および女性役員比率
女性管理職比率(%) 女性役員比率(%)
対象企業全社(平均) 9.47 13.11%

分析結果:女性管理職比率は1ケタ台(9.47%)となり、女性役員比率と比べて取り組みが遅れている状況があらためて明らかになった。女性役員については社外役員として外部から招聘することによって数値の改善が早期に実現しやすいが、女性管理職比率は社内のタレントパイプラインの充実が求められ息の長い対応が必要となる。

(2-a) 属性別ブレークダウン:業種別の状況
図2-a:業種別の状況
男女間賃金格差 女性比率(%)
全労働者 正規雇用 非正規雇用 管理職比率 役員比率
情報・通信業 74.23 77.10 74.59 14.45 14.15
証券、商品先物取引業 73.90 69.34 67.73 16.25 14.80
鉄鋼 72.16 74.67 76.24 3.75 9.73
輸送用機器 72.00 74.29 74.32 3.55 12.47
医薬品 71.85 75.88 67.10 12.68 17.46
サービス業 71.08 74.87 84.24 20.97 14.48
非鉄金属 70.71 74.61 56.40 5.77 11.82
化学 70.30 75.93 67.14 7.25 12.75
その他製品 69.60 71.65 66.63 7.93 13.29
ガラス・土石製品 69.55 73.66 72.05 5.13 11.76
電気機器 68.92 71.43 65.58 5.21 12.88
金属製品 68.59 73.41 63.24 3.63 12.42
陸運業 68.46 73.61 79.36 6.67 12.93
電気・ガス業 68.44 70.88 61.90 3.95 14.30
倉庫・運輸関連業 67.17 67.98 68.29 6.25 9.35
機械 66.67 72.12 64.68 4.18 11.84
ゴム製品 66.30 70.87 68.84 4.67 13.67
海運業 65.70 71.03 49.65 7.57 14.73
精密機器 65.67 73.17 67.89 6.40 12.97
不動産業 65.62 70.51 61.49 12.70 12.74
保険業 65.60 67.32 69.76 18.06 17.49
パルプ・紙 65.25 70.05 75.73 4.16 13.26
石油・石炭製品 64.95 67.45 52.68 4.82 19.34
繊維製品 64.74 70.04 63.21 9.64 12.92
食料品 64.43 71.04 68.18 10.16 13.77
小売業 63.23 73.64 90.75 13.64 15.36
その他金融業 62.19 64.71 68.51 17.81 14.06
建設業 61.72 65.28 56.73 2.52 11.19
卸売業 61.66 65.51 63.62 7.09 12.28
鉱業 60.55 62.30 49.35 3.50 12.20
水産・農林業 56.81 68.86 78.49 6.71 16.33
銀行業 51.92 62.09 61.63 14.81 11.84
空運業 48.40 47.87 44.33 27.83 13.77
(2-b) 属性別ブレークダウン:時価総額規模別の状況
図2-b:時価総額規模別の状況
男女間賃金格差 女性比率(%)
時価総額順位 全労働者 正規雇用 非正規雇用 管理職比率 役員比率
1~200 68.12 70.61 68.29 9.05 16.78
201~400 67.82 71.44 66.93 9.59 14.73
401~600 66.65 71.37 68.66 8.26 14.61
601~800 66.21 71.36 67.32 8.04 13.67
801~1000 65.49 69.96 67.52 8.73 12.46
1001~1200 65.46 70.67 68.69 7.58 12.09
1201~1400 65.38 70.87 69.23 7.98 13.44
1401~1600 65.49 70.41 68.16 7.35 11.73
1601~1800 69.39 73.37 72.00 8.61 13.43
1801~2000 67.87 72.04 72.33 8.49 12.38
2001~2200 65.90 71.68 66.31 8.42 10.74
2201~2400 68.12 72.50 68.00 9.48 10.61
2401~2600 64.97 70.06 75.03 10.86 12.06
2601~2800 66.60 73.39 74.00 12.57 11.43
2801~3000 68.92 74.37 67.22 11.64 13.55
3001~3200 66.76 72.67 75.41 10.34 10.84
3201~3400 73.44 76.42 76.13 14.85 11.55
3401~3600 70.33 74.94 80.51 16.43 10.58
3601~3800 68.38 75.57 75.01 17.04 12.38
3801~ 65.58 71.89 84.24 24.25 11.49

分析結果

業種に着目すると、男女間賃金格差が相対的に小さい業種から大きい業種まで一定の幅がある状況となったが、男女間賃金格差の値と女性管理職比率の値は必ずしも相関していない結果となった。女性管理職比率を中長期的に向上させるよう各種施策を検討・実施している企業も多いと思われるが、それのみを以て男女間賃金格差が目覚ましく改善するわけではないことを示唆している。

時価総額に着目すると、男女間賃金格差は時価総額規模による差異はあまり見受けられないが、女性管理職比率・女性役員比率については時価総額規模による傾向が見て取れる状況となった。すなわち、時価総額順位が高いほど女性役員の登用が進んでいる傾向にあるが、女性管理職比率を見ると逆に時価総額上位企業ほど取り組みが遅れている状況となった。

注:男性育児休業取得率について

男性育児休業取得率については、企業ごとに定義に揺れもあったことから今回の分析結果からは記載を省略している。

《 人的資本開示における好事例 》

初年度開示を踏まえて、来期以降に向けた取り組みや次回以降の開示の検討も進んでいくと思われるが、好事例と看做されるであろう事例をいくつかピックアップした。

実際の各社の開示については「添付資料:人的資本開示の好事例集」を参照されたい。

図3:人的資本開示における好事例
図3:人的資本開示における好事例
開示例 企業例
1 プライム企業上位における標準的な開示
同一労働・同一賃金であることを示すために職種別・役職別・勤続年数別といった切り口で追加説明
トヨタ自動車
東京海上ホールディングス
2 ミスリーディングが無いよう詳細開示
職種・等級別に給与の額を含む詳細開示を実施する例や、パート労働者と再雇用労働者を区分して分析した例、等
ディスコ
しずおかFG
ノリタケ
ローム
3 経年推移を開示
初年度開示でありながら、既に経年分析を示しているケース
SMC
三井物産
三菱電機
4 グローバル比較
国内連結やグローバル連結、グローバルにおける地域毎の開示を実施しているケース
日清食品ホールディングス
アンリツ
ブリヂストン
花王
5 将来の改善策(ロードマップ)を積極説明 アステラス製薬
丸紅
《 コメント 》
WTW
経営者報酬・ボードアドバイザリー 日本リード 櫛笥 隆亮

女性活躍関連指標の開示には、純粋に男女均等を目指していく社会正義の側面に加え、サステナブルな企業価値向上の判断材料という側面があります。投資家に有用な情報を提供し、また優秀な女性人材を企業に惹きつけ、エンゲージメントを高めていく上では、単に法人単位の数値開示に終始するのではなく、連結ベース数値の補足記載や、現状の課題認識、今後の改善方針、経年での改善推移など、企業としての環境改善に向けた取り組みの意思やその効果を含め、開示において補足的に伝える工夫が重要でしょう。海外法人も含めグローバル連結で数値を管理しているかどうかは、今後、グローバル経営の成熟度を図る指標にもなりそうです。

株式会社シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズ 
チーフアナリスト 塩澤 俊一

世界的に非財務情報開示が進む中で、日本においても人的資本開示が始まったことを歓迎します。労働人口の縮小という社会背景の中、どのように女性の積極登用を進め人的資本を充実させていくかが、長期的な企業価値向上に必須と当社では考えており、今回の開示は幅広い株主層に企業側の取組みを発信するよい端緒になるものと確信しています。

株式会社ゼブラル
サステナビリティ・リサーチ担当 関 陽子

当社では幅広く企業の開示情報を比較・可視化する試みを行っています。今回の人的資本開示は、表面的な数値の比較が難しく、様々な観点からデータを統合・分析することで初めて対象企業の実像が見えてくるものであると認識しています。今回のリリースでは、各企業の開示情報の「個性」を比較可能な情報に変換・蓄積する弊社のプラットフォームを活用し、迅速な分析・レポーティングを実現しています。

WTWについて

WTW(NASDAQ:WTW)は、企業に対し、人材、リスク、資本の分野でデータと洞察主導のソリューションを提供しています。 世界140の国と市場においてサービスを提供しているグローバルな視点とローカルな専門知識を活用し、企業戦略の進展、組織のレジリエンス強化、従業員のモチベーション向上、パフォーマンスの最大化を支援します。

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