この状況は、未だにソフトマーケット環境とは言えないものの、いくつかの保険種目(サイバー保険など)を除いて、多くの保険種目において保険料率のアップが緩やかになりつつあります。
今後、引き続き保険マーケット変化に対応するために、満期日前或いは工事開始前段階からの積極的な検討、また明確なプラン、品質の高いアンダーライティング情報・データを確保する必要があります。
詳細についてはグローバルコンストラクション保険マーケット・アップデートとして、“Global construction rate trend report Q2 2021 - regional insights and rate trends”をご覧下さい。
アジアにおけるサマリーは以下のとおりです:
- 引き続きハードマーケット環境が続いています。
- 損害実績のあるプロジェクトでは、保険期間延長を必要とする場合、保険契約条件の変更を要求されるケースがあります。これは追加保険料、免責金額、および/またはその他保険契約条件の変更に及びます。
- 保険マーケットは、現在のマーケット環境の好機と捉え、過去の損失分を取り戻すか、或いは保険料を引き上げる動きをしています。
- 引受会社はより厳格な精査を行い、保険ブローカーの提供する幅広い約款やリスクエクスポージャーを管理するために、より低い限度額を提供し、現行契約に付帯されている拡張担保特約を削減する傾向が見られます。また自然災害の多い地域にあるリスクについては、保険会社が自然災害に対して、損害の10〜20%のリスク負担(縮小てん補)をオファーするケースも見られます。
- 大規模なキャパシティを必要とするプロジェクト、水力発電、石炭プロジェクトについても、現在の保険マーケット環境においては検討課題です。DSU(操業開始遅延保険)および/またはより広い設計補償の範囲(LEG3またはDE5)を含めることにより、保険キャパシティが更に限定される状況が見られます。
- 現在のハードマーケットは、主にコンストラクション保険マーケットにおける損害実績により、この保険マーケットから撤退した保険会社のキャパシティ減少によるものであり、近年の自然災害による損失に起因するものとは考えていません。
- 既存の保険マーケットが保守的な引受姿勢を維持する一方、新規市場参入する保険会社の兆候は見られませんでした。以前は中国以外を含むステークホルダーが関係するプロジェクトであってもキャパシティを提供していた中国の保険会社が、現在はより厳しいアンダーライティング・ガイドラインを課している状況が見られます。同様に、日本や韓国の保険会社においても、日本や韓国に関するステークホルダーがあるプロジェクトでも、複雑なリスクを避け、以前よりもキャパシティが低下する傾向が見られます。
- 本年後半に向けて、保険会社各社は補償内容・契約条件を限定し、リスクエクスポージャーや引受ポートフォリオを管理するために、更なる対応を検討する可能性があります。
現在、コロナウイルス感染により、工事開始遅延、中断あるいは停止している、アジアにおける各種インフラストラクチャー開発が徐々に再開されることや、ワクチン接種の普及により移動制限が徐々に解除・緩和され、より多くのプロジェクトが開始されることで、新たなキャパシティがマーケットに提供され、今後、一定程度の保険マーケットにおける競争が見られることを期待しています。
【注】本情報は主題内容に関する一般的な情報を提供することを目的としており、法律上、会計上、及び税務上のアドバイスを目的としたものではありません。法律上、税務上、及び会計上の義務・条件に関する事項につきましては専門家にご相談下さい。





