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ホワイトペーパー

グローバル ライフサイエンス トレンド レポート2021

2021年3月25日

COVID-19の衝撃は1年を経てもなお消えることなく、ライフサイエンス企業を取り巻くリスク環境を変容させています。
Casualty
Risque de pandémie

1年を経てもなお続くCOVID-19の衝撃

世界中でワクチン接種が進み、パンデミックによる世界的混乱の終息が近いのではないかという希望の光が見えてきていますが、ライフサイエンス企業のリスク環境は永遠に変わってしまったかもしれません。

世界各地のロックダウンにより、企業はサプライチェーンの見直しを迫られ、消費者はデジタル ヘルスケア ソリューションを求めるようになりました。

技術革新が現代生活のあらゆる面において浸透するにつれ、ライフサイエンス分野とテクノロジー分野の境界は曖昧になってきており、保険市場はこの流れを追いかけています。

このレポートでは、ライフサイエンス企業に影響を与える新たなトレンドについて、詳しくご紹介します。

COVID-19はライフサイエンス企業にサプライチェーンの精査を迫っています

COVID-19によって中国が輸出を制限された時、多くのライフサイエンス企業は、サプライチェーンが根元から遮断されうるというリスクに直面しました。

これは、原材料等の調達を単一地域に過度に依存してはならないという教訓となりました。企業は、特定地域への依存を避けるために、場合によっては政府に促されて、もともとの本拠地に再投資するという選択肢を検討しています。

また、業務の遅延か、地域の閉鎖かに関わらずロックダウン解除後の混乱もありました。例えば、現地での製造現場の検査を実施できなかったため、しっかりと準備を進めていた医薬品が承認されなかったケースがありました。

COVID-19との闘いを支援するライフサイエンス以外の製造業者

パンデミックが発生した時、さまざまな業界の多くの企業がCOVID-19との戦いに取り組みました。世界各国の政府は、企業の協力を積極的に促進、奨励しました。

例えば、エンジニアリング企業は、人工呼吸器や個人用保護具(PPE)を製造するべく、製造プロセスを迅速に変更しました。

PPEや人工呼吸器の製造、ワクチンや治療法の研究・実験などのために、一時的な認可を与えて認可プロセスを迅速化する緊急使用許可(Emergency Use Authorization:EUA)が、世界中の管轄区域で導入されています1

現在、多くの政府が緊急生産に伴うリスクを負担しており、製造物責任請求に対してメーカーを補償しています。

COVID-19の混乱で失われた治療の時間

世界中の病院が増え続けるCOVID-19の症例に対応するためにあらゆる資源を投入した結果、何百万人もの患者の治療が遅れ、一部の製薬会社は臨床試験を延期しました。

予測モデルによると、

2,800万件
パンデミックの第一波が発生してから12週間のうちに、世界で2800万件の手術が中止または延期されました2
13万8,400
英国では2019年11月の904人に始まり、13万8,400人の患者が外科治療を1年以上待っています。
1,000万人
英国ではパンデミック前の400万人から増加し、1,000万人の患者が外科的処置を待っています3
COVID-19をきっかけに、医療機器とデジタルヘルスが拡大

デジタルヘルスへの移行とパーソナルヘルスサービスの増加は、過去10年間で拡大してきました。しかし、パンデミック時のバーチャルヘルスサービスの必要性がこれらの分野を後押しし、業界を他の方法よりも早く前進させました。

消費者は、バーチャルGPアポイントメント、メンタルヘルスアプリ、COVID-19の拡散を抑制、管理するためのアプリなど、デジタルヘルスという選択肢にすぐに適応しました。

テクノロジーがヘルスケアの一部としてますます重要になるにつれて、従来の境界線は崩れていきます。例えば、ビジネス領域がテクノロジーかヘルスかというこれまでの区別は、今や曖昧なものになっています。

この境界線の崩壊は、患者により良いサービスを提供し、より良い結果をもたらしますが、同時に、これまでのリスク環境も変化させます4

細胞・遺伝子治療の隆盛

細胞・遺伝子治療は医療の未来を約束するものですが、まだ初期段階のものです。

使用されている技術の多くは全く新しいもので、開発には長い時間がかかります。しかし、遺伝物質を運搬するためのウイルスベクター技術が大幅に進歩したことなどにより、開発のペースは上がってきています。

FDAは、2025年までに毎年20種類の新規細胞・遺伝子治療薬が承認されるとみています5

心血管疾患や神経変性疾患に加えて、癌は最も一般的なヒトの遺伝性疾患であり、細胞・遺伝子治療が第一選択の治療法となる可能性が高く、患者の生活に多大なプラスの影響を与えることが期待されています。

おわりに

COVID-19のパンデミックが2年目に入り、世界中でワクチンが配備され始めていますが、COVID-19の影響はしばらく続くと思われます。

この分野では、特にサプライチェーン・マネジメントや、ウイルス対策のために製造された医療機器の規制などの課題に直面しています。

しかし、世界がオンライン化し、世界的な危機が革新的な解決策を求めたことで、この分野が活性化した側面もあります。市場は変化するリスク環境に適応しており、企業は事業運営方法の変化を保険契約に反映させる必要があります。

ウイリス・タワーズワトソンがこのような不確実性の高い時代にご提供するお客様のビジネスリスク管理サポートの詳細については、お気軽にお問い合わせください。

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出典

1 https://www.chubb.com/content/dam/chubb-sites/chubb-com/uk-en/business/life-science-in-the-era-of-pandemics/documents/pdf/5500_chubb_ls_r2_medical-devices_uk_final.pdf

2 https://www.bmj.com/content/372/bmj.n339

3 https://www.thelancet.com/journals/lanrhe/article/PIIS2665-9913%2821%2900001-1/fulltext

4 https://www.ttp.com/industry/medical-devices

5 https://www.pharmaceutical-technology.com/comment/fda-gene-therapy/

執筆者プロフィール

GB Practice Leader – Life Sciences
WTW

Neil serves the GB life science community by drawing on WTW's sector knowledge and resource in order to create personalised risk and insurance programmes. He maintains a good understanding of the challenges and changes occurring both within the industry sub-sectors and specialist insurers. Throughout Neil’s 40+ year insurance career he has worked with Boards, Operations and Investors to create value. His experience helps life science businesses understand the risk environment, be better prepared for when events happen and recover earlier. He is Fellow of the Institute of Risk Management and has an MBA from Aston University.


Edward Hunter
Life Sciences Broking Leader
WTW

Edward joined WTW in October 2005. His focus is on all aspects of brokerage services and placements within the London and international markets for a variety of casualty programs. Within that role Edward also leads the Global Markets P&C Hub's Life Science Practice. He has gained an excellent knowledge of the London marketplace and developed relationships with UK, US, European and Bermudan underwriters. Edward has more than 16 years of experience in marketing, broking and placement in respects to US, UK and international liability programs.


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