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世界で最も脆弱な国のパターンを分析する

2021年12月22日

ポリティカルリスクインデックスは、世界で最も脆弱な国のパターンを分析します。
Credit and Political Risk
Geopolitical Risk

Oxford Analyticaと共同で作成されたポリティカルリスクインデックスの2021年冬版へようこそ。 私たちは世界中から情報収集により、顧客のポリティカルリスク管理をサポートしつつ、新しい地政学トレンドを注視します。

このエディションでは

リスク偏差がほぼ均衡していた夏版と比較して、最新版ではその悪化がより鮮明となりました。。 主に、リスク悪化の要因はパンデミック債務です。これは、夏版の「概要」と「付随するビデオ」内で議論されていた問題です。 即ち、パンデミック後の債務負担が大きい新興国政府は、ソブリンのデフォルトリスクに晒されつつ、債務を積極的に削減し、その過程で社会不安を引き起こす可能性があるという難しい舵取りに直面しています。

一般に、新興国はパンデミックからの回復を続けています(ただし、多くの場合、北米や西ヨーロッパ各国のような、よりワクチン接種が進んだ国ほどの力強さはありません)。 これらの経済回復と世界的なコモディティ価格の上昇は、多くの新興国での為替リスクの改善に反映されました。 これらの改善国には、アルジェリアなど、クライアントが資金を引き出すのが困難であると最近報告した一部の国が含まれます。 その他大幅な改善を享受している国には、カメルーン、チャド、ロシア、南アフリカ、アラブ首長国連邦も含まれます。

経済の回復(およびコモディティ価格の上昇)が税増収を示唆していることを考えると、ソブリンの支払不能リスクも同様に好転するかもしれません。 ただし、当該リスク損失予測モデルで使用されている指標の1つである、平和基金会が作成した脆弱国指数公的債務のレベルはパンデミック以降も永続的な負の遺産を残します。 大規模なパンデミック債務増加による格下げに苦しんでいる国には、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、インドネシア、ヨルダン、マレーシア、メキシコ、ペルー、フィリピン、セネガル、南アフリカ、タイ、チュニジア、ザンビアが含まれます。

これらの指標(為替兌換・送金制限とソブリンデフォルト)が来年にどのように進化するかを予測することは困難です。 一般的には、景気回復はさらなるリスク改善と期待されていますが、上昇傾向にある金利市場により、新興国からの資本逃避が加速し、これらの国々で通貨危機を誘発する可能性があります。一部の主要な新興市場は既にこのような問題の対応に苦慮しており、特にトルコはその特異な金融政策実施により、また中国も不動産セクターにおける課題(これらの課題はこれまでのところ国内で封じ込められているとはいえ)を抱えています。 大規模な新興市場での予期せぬ危機は、これらの国々で連鎖的に発生する可能性があります。

他のいくつかの国では、ここ数か月でポリティカルリスク指標が大幅に上昇し、 例えばベラルーシは、米国、英国、および欧州連合からの重大な制裁に直面しました。この制裁の発動により、同国内で事業を行っている外国企業は、直接的または間接的な報復を受ける可能性があります。 ブラジルでは(前述の如く)「パンデミック債務」の理由で格下げされ、2022年10月の大統領選挙に向けて政策が不安定になるリスクが高まっています。 インドネシアでもパンデミック債務により格下げされましたが、同国のポリティカルリスク指標全般は低リスクで推移しています。 ただし、投資誘致に関するより保護主義的なインドネシア政府の対応が海外投資に関する不安を引き起こす可能性があります。

ナイジェリアの大統領は2015年に政権を握り、治安の改善、汚職の撲滅、経済状況の改善を約束しましたが、治安危機の悪化とパンデミック関連の経済ショックを考えると、これらの約束何れもを達成できませんでした。 ペルーでは、左派大統領の穏健派は、今後対立を深める可能性のある批判者をなだめるには不十分だった為、パンデミック債務とともにリスク指標を幾分上昇させました。 最後に、チュニジアにおけるアラブの春の民主的なサクセスストーリーは、7月25日のカイスサイード大統領の緊急権力の発動の発表によって危うい状況となりました。

今回のエディションが、皆さまのお役に立てば幸いです。

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