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「パンデミックの不確実性の中、巨大年金基金の資産は大きく増加

2021年9月14日

Investments
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【プレスリリース / 東京】 2021 年 9 月14日(火) – シンキング・アヘッド・インスティテュート(※注:ウイリス・タワーズワトソンの設立した非営利組織)と国際的な資産運用専門誌である米国のPensions&Investmentsが共同で実施した調査によると、世界上位300の年金基金の運用資産総額(AUM)は、2020年に11.5%増加し、合計21.7兆米ドルに達しました。この調査では、世界の年金基金業界の傾向に焦点を当て、これら基金の特徴がどう変化したかについての情報を提供しています。

シンキング・アヘッド・インスティテュートの共同代表者であるマリサ・ホールは、今回の調査から得られた示唆を次のように振り返ります。

「全体的に、2020年は世界最大級の年金基金が力強い成長を遂げた一年となった一方で、パンデミックにより、今日の世界がかつてないほどに不確実性があるとともに結びつきを強めていることを強く認識させられました。年金基金の理事会(意思決定組織)は、金利が長期にわたって低く停滞する「ニューノーマル」から生じる様々な向かい風に対し、いかにして対処するかにますます主眼を置くようになっています。金利の停滞は将来の支払能力に関する懸念を加速させ、一部の基金ではリターンの目標を達成するためにリスクを拡大しています。さらに、ESGへの期待の高まりに応えるため、それぞれに独自の課題や機会が生まれています。
結果として、年金基金の理事会の課題はこれまで以上に複雑で難しいものとなっています。大規模な基金の中には、ベスト・プラクティスのガバナンスを用いて、このような複雑さに直面して戦略的な焦点を保持しながら、トータル・ポートフォリオ思考(※ポートフォリオ全体を重視する思考)のようなダイナミックな投資モデルを模索している基金があります。他方で、他の基金では、強固であり続けるために、現状をガバナンスモデルを見直す好機として捉えているところもあります。
ネット・ゼロ目標の達成や実社会へのインパクトの確保などの将来の投資課題への対応に注力していくことにより、ますます多くの年金基金の理事会が、人材、運用、ビジネスモデルを見直す際にシステム思考のアプローチを採用するようになってきています。このような移行を成功させている理事会は、テクノロジー、ガバナンス、カルチャーの力を巧みに利用しています。様々な年金基金の理事会がこの動向に注目しています。」

本調査によると、2020年に北米は引き続き運用資産総額および基金数において最大の地域となっており、全資産の41.7%を占めています。これにアジア太平洋(27.5%)と欧州(27.5%)が続きます。アジア太平洋では、直近5年の成長率が年率9.9%となり、地域別では最大となりました。同期間の欧州と北米の成長率はそれぞれ年率で7.8%と7%で、中南米とアフリカの基金の運用資産総額は5.7%の増加となっています。 全体では、上位300の基金数において、引き続き米国が最も多く(138基金)、次いでイギリス(23基金)、カナダ(18基金)、オーストラリア(16基金)、日本(14基金)となっています。ここ5年間で、新たに34の基金が上位300基金の仲間入りを果たしました。内訳を見ると、米国の15基金がランキングから外れ、22基金が追加されたことで、米国の純増数(7基金)が最も大きいものになっています。対照的に、DBの成熟化が進んだことで、同時期の純減数はイギリスが最大となりました。

上位300基金のうち、確定給付(DB)の資産が運用資産総額の63.4%を占めており、引き続き存在感を示しています。しかしながら、確定拠出(DC)、リザーブファンド(注:国が将来の債務への対処に充てるための準備基金)、ハイブリッドファンドの資産が徐々に増加しているため、確定給付(DB)の資産のシェアはここ数年で緩やかに減少しています。DBは、北米とアジア太平洋で大勢を占めており、それぞれ73.7%、64.7%となっています。また、欧州でもDBが資産の過半を占めている(52%)一方で、そのほかの地域ではDCが資産の72.5%を占めており、特に中南米においてその傾向がみられます。

政府系および公的部門の年金基金は、調査対象の運用資産総額の68%を占めており、上位300の年金基金のうちに141基金がこの種の基金に該当します。次いで、企業年金が運用資産総額の17%(101基金)を占めています。最後に、プライベート・インディペンデント・ファンド(※複数事業主の年金制度を運営する民間組織)で、運用資産総額全体の15%(58基金)を占めています。

今回の調査によると、全体の41.8%を占める上位20の年金基金の運用資産総額は2020年に14.6%増加し、2004年以来2番目に高い年間成長率を記録しました。過去5年間の複利の年間成長率は、上位20基金で8.9%、上位300基金で7.9%となっています。

上位20基金の資産配分の加重平均を見ると、株式が最も多く(46.6%)、次いで債券(36.3%)、オルタナティブおよび現金(17.1%)となっています。これらの基金は、過去数年間、目標とするリターンを達成するために、オルタナティブ投資への配分を緩やかに増やしてきています。

また、2020年は上位20基金の顔ぶれに入れ替わりがありました。米国のTexas Teachersが21位に後退し、ロシアのNational Wealth Fundが25位から17位に浮上しました。

調査レポートの詳細はこちらをご覧ください。

年金基金トップ20 (単位:百万米ドル)

図表:年金基金トップ20 (単位:百万米ドル)
順位 基金名 総資産額
1 年金積立金管理運用独立行政法人 日本 $1,719,987
2 Government Pension Fund ノルウェー $1,305,920
3 National Pension 韓国 $765,446
4 Federal Retirement Thrift 米国 $651,124
5 ABP オランダ $607,367
6 National Social Security 中国 $448,4271
7 California Public Employees 米国 $426,247
8 Canada Pension カナダ $390,5032
9 Central Provident Fund シンガポール $349,787
10 PFZW オランダ $306,8932
11 California State Teachers 米国 $259,246
12 Employees Provident Fund マレーシア $248,203
13 地方公務員共済組合連合会 日本 $248,094
14 New York State Common 米国 $226,400
15 New York City Retirement 米国 $225,450
16 Employees' Provident インド $193,8011
17 National Wealth Fund ロシア $183,0023
18 Florida State Board 米国 $180,221
19 ATP デンマーク $176,606
20 Ontario Teachers カナダ $173,741

1 推定値

2 2021年3月31日現在

3 2021年1月1日現在

シンキング・アヘッド・インスティテュートについて

シンキング・アヘッド・インスティテュートは、2015年1月に設立された非営利の運用調査及びイノベーションのためのグローバルな会員グループであり、運用業界を最終受益者の利益のために改善及び変化させていくことに取り組んでいる機関投資家のアセット・オーナー及びサービス・プロバイダーから構成されています。世界中に45のメンバーがおり、2002年に設立されたウイリス・タワーズワトソンのシンキング・アヘッド・グループをその前身としています。

ウイリス・タワーズワトソンについて

ウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)は、企業に対するコンサルティング業務、保険のブローカー業務、各種ソリューションを提供する業務における、世界有数のグローバルカンパニーです。企業の持つリスクを成長の糧へと転じさせるべく、各国で支援を行っています。その歴史は1828年にまで遡り、現在は世界140以上の国と地域そしてマーケットに45,000人の社員を擁しています。 私達はリスク管理、福利厚生、人材育成などの様々な分野で、企業の課題に必要な解決策を考案・提供し、企業の資本効率の改善や、組織と人材の一層の強化を図ります。また『人材』『資産』『事業構想』の密接な関係性を理解し、企業を業績向上へと導きます。 ウイリス・タワーズワトソンは、お客様と共に企業の可能性を追求して参ります。

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