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サーベイ・ベストプラクティス:従業員サーベイと顧客へのサーベイの比較

執筆者 Adam Zuckerman 高澤 三千代 | 2022年6月14日

従業員サーベイは、顧客へのサーベイとどのような違いがあるのか。サーベイの結果から課題を認識し、従業員と結果を共有することにより改善へつなげることができます。 それらのサーベイの違いを理解した上でサーベイを実施し従業員の声を聴きましょう。
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エンプロイー・エクスペリエンスを研究する際に、顧客へのサーベイ手法を用いることも珍しくありません。このアプローチも価値はありますが、限界があるとも言えます。従業員を対象としたサーベイでは、広く従業員の声を収集するというアプローチも取り入れるので、得られた結果や深い分析をより活用することができます。

言い換えると、エンプロイー・エクスペリエンスを理解し、改善へつなげるという意識を常に持つことが必要と言えます。

ここでは、サーベイや従業員の声を収集するという手法が、従業員と顧客では異なる5つの点を紹介します。

  1. 01

    組織ヒエラルキーとレポートの配布

    ほとんどの企業では、従業員は組織ヒエラルキーに分類されており、サーベイ結果の報告・比較・リーダーとの共有も組織ヒエラルキーごとに行われます。サーベイ結果を正しく得て、活用するためには、組織ヒエラルキーの正確な作成・維持が求められます。そこには高度な技術と経験が必要となりますが、組織単位での良い点あるいは改善点を分析できるという利点があります。一方、顧客の場合は組織ヒエラルキーには分類されず、その報告も一般的に広く配布されないため、これらの問題を考慮する必要がありません。

  2. 02

    機密保持に関する期待

    通常、会社から回答を求められたサーベイに対して、従業員が回答する際には、サーベイ設問の内容の特性上、自分の回答の機密性が担保されるということが、サーベイへの回答の有無や正直な回答の可否に影響を与えます。このことは、サーベイを準備するうえでのデータの取り扱いや、サーベイ結果の信ぴょう性に直接影響します。それ故、機密性の担保については顧客サーベイよりも更に強い意識を持たなければなりません。

  3. 03

    サーベイ結果の共有

    従業員サーベイや従業員の声を収集するプログラムにおいて重要なことは、ハイレベルなサーベイ結果を従業員と共有することです。これらの結果は、会社に関する情報を従業員に提供し、組織の改善プロセスに従業員を巻き込むことができるでしょう。従業員に対して回答を求める以上、結果を共有することはサーベイを実施する組織としての責任であり、従業員との信頼関係を強化するためのツールとなります。この点も、通常は短期的な取引関係にある顧客に対するサーベイとは異なる点です。

  4. 04

    変化することへの期待

    従業員は、サーベイ結果を知るだけでなく、自分たちの意見が反映されたアクションを組織に対して期待します。サーベイ結果に迅速に対応できない企業は、従業員の信頼を失い、今後の取り組みに支障をきたすことも考えられます。このように、企業が起こす行動への期待は非常に強いため、サーベイの実施を通して、単に質問をするだけであったとしても、変化につなげようという意志を伝えることになるのです。これは、顧客へのサーベイにはない、従業員サーベイ実施の目的を考えるうえで、常に考慮すべきポイントと言えるでしょう。

  5. 05

    サーベイ結果の解釈

    顧客と従業員では、結果データの解釈についても全く異なる期待を持っていると言えます。顧客が製品やサービスを必要とするときには、多くの選択肢があるため、期待水準は非常に高くなります。一方、エンゲージメントが高い従業員でさえ、どのような仕事においても、理想的とは言えない面があることを認識しています。結局のところ、それが仕事である以上、従業員の期待は控えめであるといえます。この違いは、サーベイ結果の解釈方法にも影響します。例えば、顧客ロイヤルティを測る指標であるネットプロモータースコアでは、10点満点で「8点」が「中立者:Passives」とされます。これは、この手法の起源である顧客に対しては理にかなっていると言えますが、従業員に適用するのは無理があると思われます。

    一方WTWでは、従業員サーベイの結果のみならず、従業員の声に基づいた迅速なアクションを取ることは、「会社が変わろうとしている」ことを強く打ち出せるため、効果的であると考えています。「会社が変わろうとしている」姿勢により、従業員の貢献意欲が高まり、これが持続可能なエンゲージメントを高めていくことになり、業績向上につながることが検証されています。

「会社が変わろうとしている」姿勢により、従業員の貢献意欲が高まり、これが持続可能なエンゲージメントを高めていくことになり、業績向上につながることが検証されています。
図:EXと持続可能なエンゲージメントの関係性

優れた顧客体験(Customer Experience)と業績成長の実現に、持続可能なエンゲージメントは強い影響力を持ち、EXが持続可能なエンゲージメントを形作ります。

これらは、顧客へのサーベイと従業員サーベイが根本的に異なる点のほんの一例であり、他にも多くの異なる点があります。このことは、両者の結果データを結び付けて考えることが賢明ではないことを意味するものではありませんし、従業員サーベイの結果と顧客サーベイの結果を結びつけることで非常に大きなインサイトを生み出すことができることは事実です。むしろ、それぞれの母集団に適した方法で、それぞれに合った結果データを収集し、分析する必要があるということを意味します。顧客サーベイの手法を従業員サーベイに活用することは、間違いなく有用でありますが、それは常にエンプロイー・エクスペリエンスに関する深い専門知識というレンズを通してフィルタリングされるべきです。

最後に

WTWのサーベイでは、課題があると思われる事柄について従業員の意見を聞いたり、新しく策定した人事施策の効果を図るなど、目的に合わせて設問を組み合わせることができ、属性の設定も必要な分析に合わせて設定が可能です。WTWでは、このような設問や属性の設計に加え、結果の見方や課題に応じたアクションの取り方について、またより深い統計分析などの幅広い支援をいたします。または、ライセンス購入により、ご自身で設問を設定し、短期間で繰り返しサーベイを行うことも可能です。

このように、ニーズに合わせたサーベイが可能ですので、サーベイの実施をご検討の際には、是非WTWにご相談ください。

※ 本記事は、ウイリス・タワーズワトソンの海外に在籍するコンサルタントにより執筆された記事を和訳し、日本のコンサルタントによる見解を追加したものです。

執筆者

Product Leader
Engage

Adam is the dynamic force behind Engage, WTW’s game-changing employee engagement platform. His goal is to create the world's greatest software for understanding and improving the whole employee experience, at work and in life, driving action, change and impact on organizations’ EX, company culture, and business performance. In his own life outside of work, Adam enjoys off-roading in his Jeep and spending time with his family. Follow Adam on Twitter and LinkedIn.


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